【名作を読む】アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を 読書

最近、読書から遠ざかっているから何か読みたいな。でも、流行りの本も把握してないし、せっかくなら名作と言われる本を読んでみよう!

そんな気持ちで読み始めたのが『アルジャーノンに花束を』だ。

ちなみに、タイトルは耳にしたことがあるが、アルジャーノンが何者かすらも知らなかった。

「アルジャーノンに花束を」のあらすじ

32歳で幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイは、ある日、ネズミのアルジャーノンと同じ画期的な脳外科手術を受ければ頭がよくなると告げられる。手術を受けたチャーリイは、超天才に変貌していくが……人生のさまざまな問題と喜怒哀楽を繊細に描き、全世界が涙した現代の聖書。

早川書房 アルジャーノンに花束を〔新版〕 Kindle版 から引用

主人公であるチャーリィが脳の手術を受ける前後を報告する形式で物語は進む。

読み始めて30分。とにかく読みづらい。

内容が難しいわけではない。誤字脱字が多かったり、句読点の位置がおかしかったり、文章がギリギリ成立している状態だからだ。

手術を受ける前の主人公・チャーリィが、幼児程度の知能だという表現なのだが読みにくい。

子供が描いたような文章といえばよのだろうか。

所々に漢字が混じっていたりと本当に丁寧に描写されている

こういう表現は読書でしか味わえないよなと思う。

でも「多分、ここで挫折しちゃう人もいるだろうな。」と思うので、これから読む人はこの先にすごい物語があることを信じて読み進めてほしい。

チャーリィと同じ手術を受けたアルジャーノンが登場。お前、ネズミだったのか。

文章は経過報告が進むにつれて、読みやすくなっていくので安心して欲しい。

「アルジャーノンに花束を」は人生を圧縮した物語

チャーリィの体験は、私たちが子供から大人になり老人になるまでに味わう体験だ。

私はチャーリィのように賢くないので、知能レベルについては横に置いておくが、特に人間関係においてそう感じた。

他人とのコミュニケーションの取り方。友人関係の作り方。愛情の受け取り方。悪意へ対処する方法。異性への接し方。家族関係。

他者とのコミュニケーションは子供時代に学ぶ事が多い。

そして、子供の姿であるから、発達段階だと周囲に許してもらいながら成長していく。

でも、チャーリィは見た目はすでに大人で、大人の姿で学ぶしかない。

外見は成人男性で、知能は世界でもトップクラス。でも、感情面は発展途上。

当然、周囲の人たちと衝突する。

チャーリィほどではないが、私も他者とのコミュニケーションは大人になっても難しいと感じる場面が多い。

周りの人たちと上手く付き合うには、自分が折れるのが手っ取り早い。しかし、折れてばかりでは自分の意思がなくなってしまう。

チャーリィ同様、ぶつかりながら人生を前に進めていくしかないのだ。

周囲の態度の変化、気づいていなかった悪意に気付いた時に、果たして私はチャーリィのように最後に他人を思いやれるだろうか

時間は解決してくれない

超天才になったチャーリィは自分に行われた手術によって獲得した知能が時限爆弾のようにタイムリミットがあることを自ら発見してしまう。

だから、チャーリィの人生には「時間が解決する」という選択肢がない。

私たちは嫌な思いも、辛い過去も時間が経てば、少しずつ心の痛みは薄れ、時間が解決してくれたように感じる。

では時間が解決する前に、人生の終わりが来てしまったらどうすれば良いのだろう。

チャーリィは迫り来る自分の知能のタイムリミットを自覚し、その中で、自分は何をすべきかを選び続けた。

家族との関係、自己の発見、自分が最後に向かうべき場所にも正面から向き合った。

私はどうだろうか。人生のタイムリミットを見つめたことはあるだろうか。

明日も今日のような1日が来ると勝手に思い込んではいないだろうか。

アップルの創設者スティーブ・ジョブズは「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを本当にしたいだろうか?」という名言を残している。

「すごい人のすごい考え方」と他人事に思っていたが、チャーリィの人生を追体験して背筋が凍るほどに真理だと納得するした。

私は自分の人生に納得できているだろうか。

納得できるような選択を日々しているだろうか。

と、人生と向き合うきっかけをくれたように思う。

人生のどのタイミングで読んでも面白い名作

『アルジャーノンに花束を』は、人生のタイミングによって、感想が変わる物語だそうだ。

20代後半、私はチャーリィの行く先を思って恐怖を感じた。

このままで良いのだろうか?この先の人生は長いようで短いと突きつけられた気がしたからだ。

30代、40代、50代となった時に自分はどんな感想を抱くのだろうか。

「アルジャーノンに花束を」と書いたチャーリィの気持ちに共感できる日が来ることを信じて。

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